ロコモティブシンドロームとは
運動器に何らかの障害(骨や筋肉、関節の病気 など)がみられ、それによって移動機能(立つ、座る、歩行、階段昇降など、日常生活に必要とされる動作)が低下したことで、すでに要介護状態になっている、あるいは将来的に要介護となるリスクが高いと判定されると、ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome:通称ロコモ、運動器症候群)と診断されます。
ロコモとは、加齢による筋量の低下(サルコペニア)もしくはバランス能力の低下などによる運動器機能不全、運動器自体に発生する疾患(関節、脊椎が変性する変形性膝関節症や変形性脊椎症や骨粗しょう症 等)などによって、筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの部位のいずれか、あるいは複数で障害がみられることで、日常生活で必要とされる動作(立つ、歩く、座る など)が困難になっている、または将来的に困難になる方が対象になります。ロコモについては、早ければ40歳を過ぎたあたりから始まるとも言われています。
ちなみにロコモは、「メタボリックシンドローム(メタボ)」、「認知症」と共に、「健康寿命の短縮」、「寝たきり・要介護状態」の3大要因のひとつに挙げられています。健康寿命を引き伸ばすためには、ロコモと診断された方はもちろん、ロコモ予備群と判定された方も予防に努められる必要があります。気になる方は、お気軽にご相談ください。
ロコモ度の確認を
最近は体の衰えを感じるようになってきた、ただ普通に歩いているだけなのにつまずきやすくなることが増えてきた…など、実は自らがロコモではないかと疑っている方は、ご受診前に一度、日本整形外科学会公式のロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト内の「ロコチェック」(https://locomo-joa.jp/check/lococheck/)にて、ロコモ度を確認されることをお勧めします。ちなみに同サイト内にもある「ロコチェック」7項目のうち、ひとつでも該当した項目があるという方は、ロコモティブシンドロームの可能性があります。一度ご相談ください。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要である
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
- 15分くらい続けて歩けない
- 2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
- 家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
リハビリテーションを合わせて行うことで、体力維持につながります。原因疾患の治療と並行して、それぞれの方が無理なく行える運動療法を指導しますので、是非自主トレーニングを生活の一部に取り入れていけるようにしましょう!