衝撃波治療とは
衝撃波治療は、専用の医療機器を使って皮膚の上から体の深部に衝撃波を与えることにより、組織再生・疼痛緩和を得る治療法です。
日本ではまだ導入していない医療機関もありますが、欧米諸国では足底腱膜炎などの治療で広く行われています。
刺激を受けた組織の細胞が活性化され、石灰沈着の除去・骨折治癒・腱の再生といった効果が確認されています。さらに痛みを引き起こしている神経の状態の改善と筋緊張の緩和により、即時的かつ長期的な除痛効果が示されています。非侵襲的な処置であり、従来の治療でなかなか痛みが治まらない方に対しても効果が認められています。
なお、体外衝撃波には「拡散型」と「集束型」の2種類があります。
当院では、拡散型(BTL-6000 top line)、集束型(BTL-6000 focus)の両タイプをご用意しております。
拡散型と集束型の違い
拡散型衝撃波は、患者さまのお肌に専用機器のアプリケーター先端(バンパー)を接触させ、皮膚の上から患部に向かって衝撃波を照射します。空気圧によって加速されたエネルギーが組織内を拡散して伝播していき、患部の周辺組織にまで、くまなく衝撃波が届きます。これによって筋肉を広く刺激できるので、スポーツリハビリテーションなどに用いられます。
一方、集束型衝撃波は、体の中の特定部位に焦点を集中させることでターゲットの深度を調整が可能なため、最大のエネルギーを直接患部に伝達させることができ、拡散型よりも効率的な治療が可能です。
当院で使用しているBTL 6000 FoCus ®では、今までにはなかった発振方式である電気音響技術を採用しています。
適応疾患
多くの病態に使用が可能です。
ただし、集束型の場合は難治性足底筋膜炎以外について全て自費診療となります。
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- 足底筋膜炎
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 手根管症候群
- 五十肩(肩関節周囲炎)
- 石灰化病変
- アキレス腱炎
- 大転子疼痛症候群
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
など
注意事項
体外衝撃波疼痛治療は薬を使用せず外科的処置も行わないため、重篤な副作用が起こりにくく、痛みをとるうえで効果的ですが、以下の症状が起こることもあります。
- 衝撃波を照射した部位の点状出血や腫脹、治療後の痛み
- 稀に、患部の感覚が変化するなどの神経障害
通常はいずれも一過性のものに留まり、時間の経過とともに快方に向かいます。
当院ではこうしたケースが起こらないよう、細心の注意を払って治療を進めていきます。
禁忌事項
下記のようなケースでは、原則として衝撃波治療を行うことができません。
詳しい内容については、当院を受診された患者さまに直接ご説明いたします。
- 治療部位におけるコルチコステロイド
- インプラント(電子・金属など)
- 成長板部位
- ガスを含む臓器
- 心臓周辺・血液疾患
- 頭部・頸部
- 脊椎周辺
など
治療の流れ
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患者さまの傷害・障害部位を確認します
必要な検査を行い、衝撃波治療の適応か否かを判断します
適応となった場合は、患者さまに治療法などをインフォームドコンセントいたします -
担当医が障害部位などをチェックし、治療方式を決定します
使用する機器(BTL-6000 top line、BTL-6000 focusなど)をセットします
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詳細な照射位置を決定し、患部に衝撃波を与えます
最初は低レベルの照射から始め、痛みなどの反応を確認します
徐々に出力を上げていき、治療を進めます
目的とする照射を済ませたら、その日の治療は終わりです 受付にて治療費をお支払いのうえ、気をつけて帰宅してください
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初回の治療から1~2週間の経過後、もう一度、予約にて御来院いただきます
前回治療からの経過を確認し、特に問題がないときは2回目の照射を行います
これによって治療効果を上げることができます
※3回目以降も、概ね同様となります。2-3回程度の照射を目安として効果判定します。
拡散型
運動器リハビリテーション(保険診療)の範囲内
集束型
①難治性足底筋膜炎(保険適用)
3割負担 | 15,000円 |
2割負担 | 10,000円 |
1割負担 | 5,000円 |
上記は3ヶ月の治療期間となり、別途再診料等がかかります。
②治療費用(税込)
当日の診療にかかる全ての費用を含みます。
照射する患部1部位ごとの料金です。
1回の施術は30分程度、理学療法士による評価・指導を含みます。
初回 | 10,000円 |
2回目以降 | 8,500円 |
学生価格もございます。詳細はお問い合わせください。